はまったドラマ(純愛)
コロナで外出自粛要請のせいか、外出が極端に少なくなってしまったため、夫が動画サイトU-NEXTの会員になり
一ケ月2000円余りの会費を払って、古いアメリカ映画を見るようになりました。
私のパソコンにもダウンロードして、ファミリー設定をしてくれました。
時間に任せて多くの純愛ドラマを見てしまいましたが、「パーフェクトワールド」というドラマにはまってしまい、出演している多くの
俳優女優さんが好きになり、ストーリーが好きになり、度々流れる挿入曲や歌が好きになり・・・・数回見ているうちに、長く忘れていた
自分自身の青春時代の唯一の恋愛を思い出しました。
初恋であり唯一夫以外の男性とお付き合いした人でしたが、純愛に終わってしまったものです。
現在の若者からすると「馬っ鹿じゃないの・・」と言われそうな、手をつないでドキドキしていたお付き合いですが、あの年齢でしか
味わえない恋愛だったと・・・今は、私に対し誠実に接して付き合ってくれたその当時の彼に感謝しかありません。
夫とお見合いで結婚して50年過ぎましたが、一度もあの頃のときめきと感情は経験しないのです。
決して嫌いな相手ではなく尊敬してきた夫と、淡々と過ごした歴史が、居なくなってしまうとどんなに寂しくつらいだろうと想像できる人に
なってしまってはいますが、あの頃の感情や切なさは経験しない関係で時が過ぎました。
私が高校2年生の時、渡り廊下を走って校則違反をし、一学年上級の彼に注意を受けてしまいました。
その後何故かその方らしい男性から手紙が届くようになったのですが、便箋の最後には本名が書かれているのに、封筒の裏には
女性の名前に変えて投函していました。
2-3通返事をしなかった後、3-4通目に、「人には校則破りを注意しておきながら、こんな卑怯な方法で手紙を送るのですね。」と
返信してしまったことから文通が始まり、彼が東京の大学に行って後、帰省した際一年に3度くらいデートをするようになりました。
私が中部地方の学校に行っていたときは、彼はアルバイトをしてお金を作り、時々私に会いに来たのです。
夜行で東京を立って朝到着し、駅で洗顔や歯を磨き、私を待っていてくれ、一日過ごして夕方また夜行で帰って行きました。
お金がかからないように、私は朝食と昼食用にお弁当を作って持って行って、出来るだけ歩いて過ごしました。
お金の無い学生同士だったし、話をして時を過ごすだけで、楽しかったのです。そして来てくれる日を心待ちに、勉強して
いました。親から禁じられていたアルバイトを親に内緒でしていました。楽器店のレコード部門の店員を週3日一日3時間程働いて
デートの時にと費用を作りました。彼が私に対し割り勘を拒んでいたのでお弁当やお茶・おやつのお菓子を持参していたのです。
ある日の夕方彼を送って駅まで行き、入場券を買ってホームで見送った時、不覚にも動き出した電車を追って一緒にゆっくり走って
しまいました。その時列車のドアガラス越しに、今までに見たことのない形相で私を見つめている彼の顔に気づき、我に返って走るのを
止たことがあります。
そして去ってゆく電車を見つめながら涙が止まらなくなっているのに気づいていました。
普通バスで帰る帰路を泣きながら40分ほどかけて歩いて帰りましたが、寂しくて胸が苦しく、せつなくて涙は止まりませんでした。
「人を好きになるって、こんなにも苦しいものなんだ・・・。」と思ったものです。一緒にいることが出来なくなっただけで、死別でもないのに、
寂しくて苦しい年齢でした。
その彼とは、事情があって私から別れを告げ、私は結婚して関東地方へと転居し、彼は故郷・愛媛の松山に帰って公務員となりました。
30年後、私も松山暮らしが始まりましたが、消息も知らず、また知ろうともせず、お会いする機会もこの25年間ありません。
きっとお互い大きく変化していて、出会っていても気づかないでいるのかも知れない。
そんな若かりし頃の、長く忘れていた思い出が、30歳になった主人公二人の純愛ドラマによって蘇ってしまったのです。
そして、17歳から22歳位までの年齢に起こった私の恋愛は、「あの年齢でないと経験出来なかった」せつない思い出となっています。
(2021年1月17日)
追記=このドラマ「パーフェクトワールド」の中の主人公・鮎川 樹(松坂桃季)さんは、とても素敵で大好きです。そのうえ松阪桃李さんの
声も素敵。(男性主人公は、事故で脊髄損傷をして、車いすになり、紆余曲折の末、高校時代の同級生と結婚に至る
ストーリーです。2年前のドラマ)
ドラマの中の主人公のお母さんは明るく、息子の真の幸せを願った愛情を示す素晴らしいお母さんとして表現されていて
お母さんも素敵でした。
女性主人公が絵を描くことも、素敵です。私、絵を描きますので・・・。そしてデートの時、お弁当を作って持って行ったことも私と
事情は違いますが・・・同じでした。ペンダントのアクセサリーを貰ったことも同じ・・。つい共感してしまいます。
女性主人公の両親もキャスティングの素晴らしさが光っていましたし、ほかのみなさん全てのキャスティングに感動した
ドラマでした。
こうした場合、脚本が良いのでしょうか?演出が良いのでしょうか?多種多様な人間模様がバランスよく、全体が心地よく
涙して5~6度も繰り返し見てしまいました。特に好きだったのは、「台詞」の言葉の選び方でした。悪役やそれっぽい役柄以外の
セリフが人に優しい洗練された言葉が使われていて、とても心地よかった。
高齢者になっても私、涙もろくて気持ちだけは純粋みたいです・・・・・。性格って変わらないですねー。
はまったドラマ(ファン心理)
ドラマ「パーフェクトワールド」の主人公を演じた松阪桃李さん。このドラマでファンになってしまいました。
どこかで見たことがあると思っていたところ、NHK連続ドラマ「梅ちゃん先生」でお隣の安岡製作所の幼馴染で後に梅子さんと結婚する
信郎さんの役柄を演じた人でした。
動画サイトU-NEXTに「梅ちゃん先生」のドラマもあったことから、見直してみました。松坂さんって素敵なお顔ですね。
うっとりしてしまいます。
この方、実は28歳で亡くなった9歳年上の私の長兄の顔に似ているところがかなりあります。私が面影で記憶している左サイドの横顔と
左斜めからの顔・・・他にも沢山つい長兄を思い出す顔があるんです。一ヶ所、そのものと言うほど似ているシーンもありました。(兄は
メガネをかけていましたが・・・外していた時の・・・)
そのせいか、お顔を見ていたい気持ちになるんです・・・。私は兄を好きでしたから・・・。私が中学生・高校生の頃、正面以外から兄の
顔をじっと見て「〇〇兄ちゃん素敵だなー」って思っていた記憶があります。次兄もハンサムですが、整い過ぎた顔に私は魅力を
感じませんでしたが、次兄は女性に大変モテていました。
しかし長兄も60~70年前でなく、現在に生きていたら「流行りのイケメン」だったのですね。すごくもてていたかも・・・・?
ここのところ、テレビや映画はあまり見無くなっていていましたので、最近のドラマはほとんど見ていませんが、U-NEXTで
捜して見た「この世界の片隅に」という戦前・戦中・終戦の物語を回想する映画がありました。もっと、松坂さん出演のドラマや
映画を捜して見たくなっています。 (2021年1月27日)
追記=やくざと刑事の抗争ドラマや高校生や大学生を描いた映画も見てみましたが、演技の幅の広さに圧倒されます。
この方の演技力ってすごいものがあります。やくざがらみの映画など見たくもなかった私が、松阪桃李さんが出ていると
いうだけで、終わりまで見てしまったのには、自分でも驚いていますし、想像もしなかった全裸姿や強烈なベッドシーンまで・・・
驚きです。笑ってしまう演技も・・・不良っぽい役柄も・・・・「おかま」さんの役なども・・・・極限の精神状態をも・・・ピアニストや
コンサートマスター役まで、知らなかった俳優さんですが売れっ子俳優さんだったのですね。
見たドラマや映画の題名は「孤狼の血」・「今日 恋を始めます」・「エイプリルフールズ」・「ユリゴコロ」・「彼女がその名を
知らない鳥たち」・「チキンレース」・「僕たちは世界を変えることが出来ない」・「わろてんか」・「娼年」・「キセキ」・
「蜜蜂と遠雷」・「日本の一番長い日」・「マエストロ」・「秘密THE TOP SECRET]・「ピース オブ ケイク」・
「MOZU」・「アスコーマーチ」・「チーム・バチスタ2ジェネラル・ルージュ」・「不能犯」ほかでした。
でもやっぱり普通の誠実な主人公役の方が、好きですねー私は・・・。お顔に似合っています。それとも私の性格や好みに
似合っているのでしょうか?男性娼夫から、誠実な純愛ドラマまでを演じる松坂さんってファンにならずにはおれません。
実物はどんなお人柄なんでしょう。
はまったドラマ(男女の会話遊び)
ドラマ「パーフェクトワールド」の中の女性主人公と男性主人公の関係の中に、鮎川 樹(いつき)さんが川奈 つぐみさんを時々
からかうシーンがあります。
その一つに、一緒に眠った夜の次の朝・・・「眠れなかった?」と聞くと、「最近で一番よく眠れたかも・・・」と答えたところ
「どうりでいびきが・・・」と言のです。「私いびきかいてた?」と驚くと樹さんが「うそ!すぐ騙されるんだもんな。」と
言っている場面があり、「怒るよー。」と冗談ぽく返しています。
これ私も情景は違いますが、新婚3年目くらいまでの間によく夫に騙されてからかわれて、よく似た経験があります。
一つ紹介しますと・・・・・私、苺が好きで、苺の苗を買って植木鉢で育てていました。ある日それを知った夫が「苺は砂糖水をかけて
あげると甘くなるんだよ!」と言ったのです。
私、本気にしてしまって・・・小さな実を付けたころから薄めた砂糖水を毎日注いであげていました。「甘くなれ!甘くなれー!」と
願いながら・・・10日目ごろにびっくりしたのは、植木鉢全体とその周辺に、ものすごい数の蟻が集まっていて気持ち悪く、とても育て
続ける状態ではなくなってしまっていたのです。
仕方なく捨てることにしました。夫に話したところ「本当だよ!」と言いながら大笑いしていて、騙されたことに気づいたのです。
騙された私が悪いので、怒ることもできず悔しい思いでした。今だとこんな嘘に騙されることもないほど常識を身に付けましたが
若く知識の少ない、人を信じやすい性格から5歳年上の夫によく騙されていました。
他人だと警戒することも、頼り切っていた夫には警戒せず信じてしまっていました。住んだこともない関東地方に移り住んで、友達も
一人もいなかったころ、夫は唯一の信頼できる相手だったので、全てに頼っていたからです。
男女の仲って、50年・100年以上経っても、「何ら変わりないことをやっているんだなー。」と思います。
このドラマで川奈つぐみさんが、いかに鮎川 樹さんを信頼して好きだったのかが、こんなシーンにも表現されていました。
(2021年2月1日)
はまったドラマ(主人公の人柄)
このドラマの主人公鮎川 樹(いつき)さんは、20歳の時事故にあって下半身不随になり車いすとなりました。そのせいで排泄障害などが
ある設定となっていますし、男女の性的行為も不能です。
そうした条件の下での恋愛物語です。そして30歳になっています。苦しい事故後の精神状態を、ある程度克服した時期として物語が
始まっています。
このドラマの主人公は高校生の時、超絶イケメンでスポーツマン、完璧と言われるほどの高校生で人気者だった主人公が、
車いす生活になったにも関わらず努力して高校生の時からの夢「一級建築士」になっています。
そして、このドラマの中の鮎川さんのお人柄はとても素敵で、私は大好きです。
特に気に入った態度は、真剣に相手と話をする時、遠くにいると車いすを動かして近くにより、真正面からしっかり顔を見て話しをします。
多少横向きになっている時も、車いすを動かして正面で向き合います。
この演出により、主人公鮎川 樹さんのお人柄の全てが、私には垣間見えました。
もの事に誠意をもって真剣に向き合う人柄が、表現されていました。
そして、恋愛のあり方にも一つの形が理解出来ます。高校生の時から付き合っていた同級生とは、車いすになってから別れていますが、
高校時代は片思いだった彼女の方は車いすになってから再会し、紆余曲折を経た後ではありますが結婚へと向かいます。
車いすになって、下半身不随であっても片思いの時よりもっと好きになってしまった同級生は、初めから下半身不随を承知で付き合うことに
なり、素敵な全てにおいて完璧に見えた彼が、ある時から下半身不随になってしまった同級生の方は、障害を持った後でも愛し続ける
難しさを知ってしまいます。理解できない訳ではありません。人間の弱さの一面を垣間見ます。
勿論、途中で車いす生活となり性行為が出来なくなった彼を愛し続ける人もいることでしょうが、多分、ほとんどの人は別れる選択に
至るのではないでしょうか。結婚しても、犠牲的な生活と精神的な結びつきだけの愛しか望めず、子供も持てないかもしれない。
結婚において、肉体的な結びつきも大切な条件ではありますから・・・。
それを乗り越える愛情を持っている人は、少ないと思われます。
ドラマであるからこの結末に至ったと言えるかもしれませんが、現実にも皆無だとは言えない人々がいることは、「人間て素敵だなー。」と
認めざるを得ない人間の一面です。打算のない純愛とひたむきな愛は、存在します。少ないですが・・・・。
会話の中の言葉の選び方にも、感動する言葉が随所に語られていて、このドラマ「パーフェクトワールド」は言葉を発する心の自己啓発にも
なりました。 (2021年2月4日)
はまったドラマ(男女の相性)
この「パーフェクトワールド」の中で、主人公鮎川 樹さんと川奈 つぐみさんの結婚に際して障害となったのは、樹さんが下半身不随の
車いす状態の障害者だったことです。
つぐみさんの親としては、「健常者の信頼できる相手と結婚させたい・・・」だから猛烈に反対してしまう。特に父親が難関でした。
つぐみさんの父親に土下座され「別れてくれ・・」と頼まれてしまい、同級生の「これえだ」君に「近じかプロポーズをする,俺の方がつぐみを
幸せに出来る。つぐみを惑わさないでくれ」と頼まれると、樹さんは好きなつぐみさんの幸せを願って引き下がらずを得ませんでした。
この親と本人との配偶者選びには、大きな感覚の差が生じていますが、これ、一般の私たちにも言える重大な差です。
私自身も経験していますが、両親が「この人なら・・・」と感じる人と本人が「この人が好き・・。」と感じる人との間には大きな条件の差が
あります。
両親は外的条件だけで結婚相手を評価しますが、結婚する本人は(私自身は・・)お見合いであったとしても、直感と言うか動物的感覚で
感じる相性というものがあります。これを無視して親の言いなりになった場合、多分多くは失敗すると私は思います。
多少外的条件が悪くても、「この人を好きになれる・・・この人を尊敬できる・・・」という動物的な感覚を大切にしなければ、結婚しようと言う
決心がつかないことを、親は理解する必要があると思います。
本人の幸せに繋がる条件は、親が思う条件とは違うのです。
このドラマで、つぐみさんの両親が認めた幼馴染で同級生の「これえだ ひろたか」さんと無理を押して結婚した場合、「これえだ」さん自身も、
づっと「まだ、俺より鮎川のことが好きなのではないか・・・?」という思いが無くならず、つぐみさん自身も、大好きになってしまった鮎川君への
思いをどこで断ち切れるのかが心配です。
私自身も親が、私が選んだ相手に対して「身長が低い」とか「3男である」とか「勤めている会社を知らないための心配」とか、
不平不満を持っていましたが、親が気に入った男性とは、不満も無く自分にはもったいないくらい条件が良い場合でも、結婚したい
気持ちが生まれない相手が多くありました。(多数のお見合いをさせられ、多くを体験して得た結論ですが・・・・・・)
結婚相手は、本人の感じる動物的な感覚による相性が、最も大事な条件だと私は思います。
このドラマで、つぐみさんの両親は、親の気に入った人と結婚するのが幸せになる道だと信じていますが、つぐみさんは、心のどこかに
迷いが生じて消えてしまわない後悔を持ち続けています。
そしてつぐみさんの父親は、自分の気に入った相手と婚約破棄をして、大好きな鮎川君とやり直したいという娘を「そんな身勝手な娘に
育てた覚えはない。」と罵りますが、これ、ちょっと変ではないか?気づくべきです。30歳にもなる大人になって、親の言う通りにしか
出来ない娘こそ、育て方を間違えています。
そして、この父親は娘をリードで繋いだペット扱いにしてしまっていることに気づいていません。30にもなった大人が、正しい判断が出来ない
子供だと思ってしまっている子離れできない父親にすぎないのです。これ本当の愛情なのでしょうか・・・。
自分が好きな相手と結婚するのが幸せになる道しるべだと私は思いますし、この年齢だと自分の気持ちを貫ける人に成長しているべきです。
ただこのドラマでは、男性側の樹さんが、つぐみさんの幸せを願って一方的に別れを告げてしまっていますから、女性のつぐみさんは、
樹さんの気持ちが変わるのを期待するしかありません。
私であっても、樹さんの気持ちがお父さんの願いや、健常者の同級生につぐみさんの幸せを託したことで別れを告げたと理解していても、
樹さんはつぐみさんのことを嫌って別れたのではないと理解していても、樹さんの気持ちが変わらないのに押しかける勇気は無いと
思います。
結果、是枝さんとの婚約と結婚式場の予約までしてしまっているにも拘らず、鮎川 樹さんの「俺と、もう一度やり直しれくれませんか?」
という申し込みを受け入れてしまいますが、でもこれはドラマでなく現実でも双方ともに正解だと私は思います。
樹さんも後悔が続き、つぐみさんも無理やりこの流れを受け止めてしまって「これえだ」さんとの結婚を強行してしまうと、一生迷ったままの
人生が待っているように感じるからです。 (2021年2月6日)
はまったドラマ(幸せという意味)
ドラマの中に、半身不随で車いす状態の樹さんと、つぐみさんのお父さんの会話の中で、「君は娘を幸せにできると言うのかね。
その体で誰かを守れるというのかね?」と問い詰める場面があります。
お父さんの考えはお父さんの考えであって、つぐみさんの幸せではありません。お父さんが思っている幸せは、お父さんの幸せで
つぐみさんが感じる幸せではないのに、父親として思い違いをしています。
お父さんが思っている幸せを押し付けても、つぐみさんにとって苦痛である場合が多いと思われます。
後になってつぐみさんは、樹さんに答えています。「幸せな苦労だもの、喜んでするよ・・・。」と・・・。
つぐみさんにとっては、大好きな樹さんと一緒に人生を送ることこそが、幸せと感じるのです。
これ女性の立場から言いますと、私自身もそう思います。何不自由なくても好きでない人と生きるより、多少苦労しても好きな夫と
生きる方が、女性は幸せなのです。私も長年一緒に暮らしてきた夫が、「すい臓がん」と診断された時、好きだとか愛しているとか
感じてこなかった間柄だったにもかかわらず、火事場の馬鹿力程の努力で夫の病気と闘う自分を知ってしまいました。
その事について、全く苦労なんて感じていなかったし、持ち金全部使っても最高の治療をして、出来るだけ長く自分の力で生活できる
終わりの人生を作って天国に送ってあげたいと思いました。
他人は「そんなお金は使ってはいけない。どうせ死ぬんでしょう?」とか「お金を溝に捨てるようなものだ・・。」とか「あなたが老後
みじめな生活をしていたら、ご主人は泣くよ・・・。」と言った人がありますが、そんな考えは私には100%ありませんでした。
むしろ、蓄えはこんな時に使ってこそ意味があると考えました。夫が働けるときに働いて蓄えたお金ですから、夫のために使ってこそ
有益で、自分の老後の贅沢のために取っておくべきお金ではないのです。
他人が考える幸せと自分が感じる幸せは、大きく隔たっていることが多いと感じる私です。 (2021年2月8日)
追記=ドラマの中で、つぐみさんのお父さんはそれに気づいて最終的には結婚を許しています。そして自分から、樹さんに「娘を頼む」と
話に行っていますし、それまでの姿勢を詫びています。
そして樹さんも、あれほど何度も障害を持った人との結婚について、厳しい言葉と態度で反対した彼女の父親に対し
「川奈さんは間違ったことはしていません・・・父親として当然の心配をしただけです。」とかばった言葉を返しています。
この言葉あまりに素敵で感動しました。
そして樹さんは、「俺は、子供が持てるかどうか分からない。持てたとしても体外受精になる。川奈の体に負担をかけることになる。
だけど、出来れば子供が欲しい。そして川奈のお父さんのように家族を愛せたらと思う。」とつぐみさんの父親を、父親の目標に
しているのです。この言葉も素敵でした。 (主人公の父親は、小学校6年生の時、病死しています。)
はまったドラマ(男同士)
このドラマで女性主人公「川奈 つぐみ」さんを巡って、男同士の彼女の取り合いがあります。
この争いちょっと素敵です。 二人ともに好人物で、「つぐみ」さんがいかに誠実な男性に愛される人柄かがわかりますし、二人とも、自分の
気持ちより「つぐみ」さんの幸せを優先してしまう、女性に対して非常に優しい男性です。
どちらと結婚しても、「つぐみ」さんは幸せを得る運命です。ただ、「好き」という感情の問題において、「これえだ」さんは「鮎川」君に
負けています。
「つぐみ」さんは、鮎川君を高校の時から好きで、下半身不随になってから再会したにもかかわらず、なお一層好きになり、「鮎川」君が
病気になったらどうしよう。死んでしまったらどうしよう。鮎川君に必要とされたい・・・一緒に仕事が出来るようになりたい・・・
一緒にいたい・・・同じ人生を一緒に歩みたい。」と言う感情を、別れてからも捨てきれませんでした。
鮎川 樹さんの責任感の強さや思いやりから「この体では、川奈を幸せにしてやれない。守ってやれない・・。何もしてやれない」と言う
気持ちが強く自分を責め続け、事故や酔っ払いに絡まれた時など守ってやれなかったという悔しさが自分を責め続け、周りの反対と言う
困難を、つぐみさんの自分に対する気持ちが解っていながら乗り越えることが最初できませんでした。
しかし、二人のハピーエンドは、最初から作者が決めていたと思われます。
作者が、樹さんからつぐみさんに「俺と、もう一度やり直してくれませんか?」とドラマの中で言わせなかったら、結末は変わってしまって
います。
その結果、「自分の方がつぐみを幸せにできる。」と鮎川君にせまり、つぐみさんには「鮎川に対する思いが消えていないこともふくめて
全て引き受ける・・・。」と言って結婚を申し込んだ「これえだ」さんは、最終的には、つぐみさんの幸せは、「鮎川のそばにいる事だ」
「つぐみには、鮎川が必要だ・・。」と自分の思いに結論を出しました。
そのきっかけとなった事件が、震度6の地震で、山奥のモデルルームに一人で行って倒れてきた建築資材の下敷きになっていた鮎川君を
つぐみさんが助けに行って助けたこと・・・・、避難所の車の中で二人で一晩中一緒だった時、つぐみさんは寝ている鮎川君の寝顔を
デッサンしていたこと・・・です。
そのデッサン画を避難所のスタッフさんから預かったのは「これえだ」さんでした。
その時つぐみさんの鮎川樹君に対する思いの強さが「これえだ」さんには解ってしまいました。
「これえだ」さんが、つぐみさんが鮎川君とよりを戻したのではないかと、鮎川君のアパートにのり込んだ時の模様は、誠実な男性
二人の人間の対決として、私は納得するものでした。
この二人、自分の欲望より女性の幸せを優先する優しい男性で、結局人間性の良さで、似た者同士と感じます。
「これえだ」さんはデッサン画を渡して、鮎川君に「これを見れば馬鹿でもわかる。描いた人間が、モデルの人間をどれだけ好きか・・・」と
言ってしまいます。そして、「今までおまえに渡せなかったのは、俺の醜い嫉妬心だ。」とも正直に言っているのです。
人柄が良くなければ、この言葉は口にしないことでしょうし、デッサン画を鮎川君に渡すこともなかったことでしょう。そして何とか「つぐみ」さんを
取り戻そうとするとも思えます。
結局「これえだ」さんは、「絶対に別れるな!もしもう一度つぐみの手を離したら、本当に殴るからな!」と鮎川君に「つぐみ」さんを託します。
最初から最後まで、この「これえだ」君も素敵な男性でした。
もう一つ「これえだ」君の素敵なところは、「鮎川とは話を付けた。婚約は解消しよう。つぐみの幸せを祈っている。」と「つぐみ」さんに
メールをしました。これ、私は最高に男らしいと思います。好い男性!素敵な男性です。
でも、私がより好きなのは鮎川君です。この鮎川君、障害を負って地獄を見た経験がなかったら・・・その苦しみを乗り越えていなかったら、
これほどの素敵な人格の男性に成長していたでしょうか?
とても人格の素敵な主人公・鮎川 樹さん。私はこの主人公、大好きです。 (2021年2月12日)
はまったドラマ(愛するが故の苦しみ)
このドラマの中に登場するもう一人の軽度の障害を持った青年に「はると」君と言う青年がいます。
この「はると」君が「つぐみ」さんに話している「中途障害者と言うのはね、今まで出来ていたことが出来なくなったことに一番
苦しむんだ。」と語るシーンがあります。
主人公・樹(いつき)さんも、20歳の時に事故にあって下半身不随の車いす状態になった中途障害者です。
樹さんの母親は「障害を持ってから樹は、甘えを許さない、自分に厳しい子に変わってしまった。」、と「つぐみ」さんに話しています。
そういったことも加味してか、樹さんは「つぐみ」さんに対して、「何もしてやれない。守ってやれない。幸せにしてやれない。
どんどんお前を不幸にしている。」と感じて、「どうしてこんな体になったんだろうな・・・、どうしてだろうな・・・。」と苦しむのです。
好きな人が出来たことで、出来ていたことが出来なくなったという苦しみはより一層増して行っています。そして「つぐみ」さんに、
「川奈を大事に思えば思うほど、歩けたら一緒に出来たこと、歩けたらしてあげられたことを想像してしまうんだ。」と話します。
この辛さは想像にあまりあります。
「つぐみ」さんの方も、両親に反対され、鮎川君と引き離され、会えなくなった苦しみを訴えています。好きな人と一緒に過ごす時間が
「つぐみ」さんにとっては幸せで、好きな人の助けになってあげることが幸せなのに・・・・引き裂かれて苦しみます。
障害を持った人と付き合うことを反対されて、「好きな人の助けになってあげることがそんなにいけないこと?」と母親に反論しています。
男性側と女性側の苦しみは、大きく違いますが、若かりしころ経験した「人を好きになるって、こんなに苦しいことなんだ・・。」という思いを
私も思い出して共感してしまいました。
多分男性側(樹)さんの苦しみがより大きかったと想像します。
結果的に作者は、ハッピーエンドに終わらせていますが、この結末についてヘルパーさんの言った「樹君は、川奈さんに出会って、
二人で試練を乗り越えたことで、リハビリを成し遂げたの・・・。」と言う言葉が輝いています。
こうした障害を持った人のリハビリは、精神的なリハビリをも成し遂げなければリハビリを終えたことにはならない事を証明しているように
思います。でも、精神的なリハビリって、簡単ではないでしょうね。
このヘルパーさんの言葉も私にとって「目からうろこ」でした。
このドラマの主人公・鮎川 樹さんも、川奈 つぐみさんも、情緒的にとても賢い二人で、お互いを信頼しているため、相手の言い分を
よく聞いて理解し、柔軟に対応する主人公です。失敗を成長へ変えることのできる人間的賢さがあると感動しました。
(2021年2月13日)
はまったドラマ(障害者の本音)
このドラマの中で、「はると」君が女性問題で苦悩した時、会社でくさって「2級建築士の試験を受けない。」とごねました。
悪いですが、男性って女性問題で上手くゆかないと、投げやりになる男性は多いと思います。
「はると」君もくさって投げやりになり会社で、自分は障害者だから・・・と言う事で、「きれいごとばかり言うけど、障害を乗り越えるとか、
受け入れるとか、無理なんだ。そんなの何年かかっても出来る事ではないんだ。皆、平気じゃないけど、平気なふりして生きてる
だけなんだ。」と叫んでしまいます。
その時、鮎川 樹さんが「その通りだな。俺だって障害受容なんて出来ていない。好きで車いすに乗っている訳ではない。
歩けるものなら、歩きたい。障害を負ったからこそ学べたことは山ほどある。でも、だからって障害者で良かったなんて
一度も思ったことはない。なんで自分だけこんな目に・・・、と今でも思うし、出来る事なら障害なんてない人生を送りたかった。
それが本音だ。
だから、「はると」の気持ちはすごく解る。・・・・・・・・・健常者へのコンプレックスは一生捨てられない。
でも、俺たちだから出来る事もあるんだってことを、お前にも実感して欲しい。障害受容など一生できなくても良い。ただ、
何か一つでも誰かの役に立っていると思えることがあれば、毎日を腐らずに生きてゆけるんじゃないか?そのための努力は
すべきなんじゃないか?」と語りかけるシーンがあります。
この樹さんと言う主人公、結構周りの人に影響を与える発言があります。
川奈 つぐみさんにも再会した初期のころ、「鮎川君すごい。立ち直るのも、受け入れるのも大変だったはずなのに、夢をかなえて
目標に向かって生きている。心の底から尊敬する。
私なんて、自信が無くてやる前から諦めている。」と話した時、「やりたいことがあるなら、今からでも目指せばよい・・。自分の
人生だから、やりたい事はやればいいんじゃない。」と勧めたのが「インテリアデザイナー」でした。そして、その才能を開花して
ゆきます。
この主人公、かなりの実力者で、周りから尊敬されていて影響力を発揮しています。つぐみさんでなくても尊敬してしまう主人公
です。つぐみさんとの恋愛で、多くの困難に見舞われますが、発言の素晴らしさや責任感の強さは抜群で、自分を責めても
他人には思いやりのある言葉や行動で返しています。
本質的に人間としてレベルが高い資質を持った人が、ハンデを背負ってより磨かれた人間性を育てたと思われます。
だから私は、主人公の鮎川 樹さん、大好きです。つぐみさんも好きです。
周りにいる協力者も、素敵な人間性の持ち主で障害者に理解が深い人々に囲まれています。 (2021年2月22日)
はまったドラマ(感想)
このドラマ、主人公を障害者に選んだのには多分、オリンピック・パラリンピックのためだったと思われます。
しかし私は、障害者と健常者のカップルでなくても、男女には何か壁が出来てしまうことはあり得ますし、その壁を乗り越える
力が不足している年齢もあると思います。そのため別れてしまうことは多いと思います。
しかしやはり、青春時代の恋愛は大変重要な経験であると感じています。
私の例をお話ししますと、私・中3のクリスマスイブの日に高熱を出して病気になり1ヶ月近く闘病することとなり、進学問題で
予定が狂ってしまいました。初めての挫折で思い通りにならないことで苦しんで、若さと未熟さからふてくされてしまい、
暗い性格に変わり、物事を素直に受け取れなくなった時期が続きました。
それを引きずっていた頃、初恋の彼との付き合いが始まり、彼が私をかなり変えてゆきました。
後ろ向きな発言やひねくれた考えを言葉にしたとき彼は、私に対して「そんなことを言ってはいけない。あなたには、こんな素敵な
ところがあるんだよ。だから好きなんだ。自分の良いところは知るべきなんだよ。」と励ましてくれていました。
また「そんなことはない。自分を誤解している。もっと素直に自分の良さを認めるべきだ。」と褒めてくれていました。
それが私の自信へとつながり、明るく前向きな考えに少しづつ変わっていったと思います。
そういう彼がいたことは私にとって、大きく成長するきっかけとなっています。それなのに、ちょっとした問題を消化しきれず
方向を変えてスッキリしたくなってしまい、私から彼に別れを告げてしまいました。彼はかなり苦しんで、ケガをして入院したことを
彼の友人から伝えられたにもかかわらず、元さやに戻ることを恐れて、お見舞いにもゆきませんでした。
冷たい女性でした。これ、このドラマのように30歳になっていたら、問題を乗り越えて結婚していたと思います。
そんな後ろめたさがあって、夫との結婚生活の歴史のなかで、予想しなかった大きな問題が生じたとき、「初恋の彼を
苦しめたから、私が逃げ出したから、神様が私にそのお返しをしているのだ・・・罪滅ぼしとして今回は、受け入れて乗り越えて
よい方向に進むべきなんだ・・ 」と思ってしまいました。
どちらにしても、男性と女性の違いは双方を助け支え影響しあって成長するための違いなのかもしれない、神様はそれを目的に、
男性と女性を違えて作っているんでしょうね。・・と感じてしまいます。 そして、彼は人間性においてレベルの高い資質を持った人
でしたから、きっと私と同じように幸せをつかんでいると確信している。
このドラマでは、健常者と障碍者の支え合いですが、健常者同士でも支え合い無しで一生を終える事はありません。必ずどこかで
支え合いが必要となり、多少の犠牲は伴っています。それが通常の人生だと感じています。
いくつになっても、独身の人々には良い恋愛をお勧めしたいと思います。成長できると思うからです。
そしてもし、障害を持った人でいま恋愛中にある人は、自分も幸せになることに迷わないでほしい・・・・。相手が自分を思ってくれている場合
決して相手は自分のために犠牲にはなりません。女性は大抵の場合、好きな人のサポーターになることを犠牲とは感じません。多分男性も
そうであると思います。自分も相手も幸せになると信じて、良い結果へと進んでほしいと感じました.。 (2021年3月4日)
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